江戸東京きらりプロジェクトについて

江戸東京きらりプロジェクトについて


老舗の名品や匠の技、食文化は、かけがえのない「東京の宝」です。国内外のみなさまにその魅力を知ってもらい、生活の中でもっと使っていただきたい。そして「東京のブランド」として共感いただくことで、東京の宝を未来に引き継いでいきたい。江戸東京きらりプロジェクトはそういう思いから始まった東京都のプロジェクトです。
高橋工房はこのプロジェクトに江戸木版画として採択され、2019年より参加しております。

江戸木版画は、技の保存と伝承を目的に文化庁から選定保存技術保存団体(「修復」部門)の認定を受けております。
しかし、「修復」といえど、多くの江戸木版画は版木自体が既に消失しており、修復する対象がないことがほとんどです。
今回、月岡芳年「月百姿」の古版木を入手でき、本来取り組むべきであった「修復」にかかることのできる貴重な機会を得ました。
国内外問わず北斎や広重を筆頭にして更に日本の「浮世絵」が広く認知されるようになってきたなか、彼らの築いた浮世絵世界や日本的情緒を踏襲しながらも、時代の変遷に沿うかたちで描写の精度をより高めた「最後の浮世絵師」、芳年の画に改めて注目が集まっているようです。
芳年の画は、海外の方に人気のいわゆる日本的な題材(武士や着物の女性など)を、現代人の目からしても劇的な構図かつ精緻な描写で描いたものも多く、個人的に日本の漫画文化にも通じる絵師だと感じています。そういった点からも、「クールジャパン」との相性も良く、海外からのニーズが高まってきたのではないかと考えております。

高橋工房では江戸東京きらりプロジェクト事業の一環として、古版木を修復し、芳年作品をイギリスをはじめ世界に発表いたします。